借金している人は誰?
交流戦でのリーグ大幅負け越しとリーグ内の僅差により、7月3日にセリーグは全球団が借金を背負うという前代未聞の事態が発生しました。交流戦の負け越しが17なのでセリーグ1チーム当たり約3の借金を持っていることになります。野球解説者の話を聞いてみると、パリーグが採用している指名打者制度によりパリーグの戦力が上がっているのではないかという声もありました。私は普段からライオンズの試合しか見ないので、交流戦でピッチャーが打席に立つと非常に興ざめしていまします。今回のことがきっかけでセリーグにも指名打者制度が導入されることを望んでいます。
ところで世界に目を向けると借金といえばギリシャという感じですが、一般的に経済主体は、家計・企業・政府の3つに分けられますので、ギリシャをセリーグに例えると家計チーム・企業チーム・政府チームのすべてが借金を背負っているという状態でしょう。そしてパリーグのファンがセリーグにも指名打者制度導入を希望しているように、ギリシャリーグはドイツリーグから緊縮財政を強要されているというところでしょうか。力のないリーグに補強をするなと言うようなものなので余計弱くなるかもしれませんが。
一方、日本国内で借金というと日本政府の1千兆円の巨額借金が話題になります。ただし、日本をパリーグに例えると家計チームと企業チームが大きな貯金を持っていて政府チームが借金を持っているという状態です。さしずめ今季のパリーグでいえばバッファローズが政府チームといったところでしょうか。ただし、交流戦でセリーグに貸し付けを行っているパリーグが黒字なように、日本も対外純資産は世界最大の黒字国で昨年の段階で320兆円あったと報道されています。このように考えるとよくある日本政府の借金が国民一人当たり8百万というような報道はバッファローズの借金を実際にはバッファローズに貯金を持っている他のパリーグチームの借金とみなしているようなものだと考えられます。1チーム当たりや国民一人当たりで報道するのであればパリーグ全体のセリーグに対する貯金は1チーム当たり3であるとか、日本の対外純資産は国民一人当たり、260万円であるとかするべきでしょう。
バッファローズの借金は巨額ですのでホークスやライオンズを倒して借金を返済しなければなりませんが、どのチームを倒すのがより効果的なのかは戦略的に重要です。日本政府チームも、選手の年棒を維持するためには、家計チームや企業チームを倒さなければなりません。消費税を上げて家計チームを倒すか、法人税を上げて企業チームを倒すかの戦略においては、どうやら前者を選んだようですが。