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ふるさと納税

今回は、ふるさと納税について考えてみました。
まず、ふるさと納税の仕組みを簡単に説明します。
ふるさと納税は、2,000円の自己負担のみで限度額までの寄附が自分の希望する地方自治体に行える制度です。限度額は、概算で課税所得の1%と考えておけば良いでしょう。
サラリーマンで奥さんと高校生の子供が一人という場合には、年間給与が700万円の場合は、44,000円、500万円の場合で、24,000円といったところです。
なぜ、自己負担が2000円なのかというと、寄付した金額のうち2,000円を除き、本来支払うべき所得税や住民税から差し引かれるからです。もちろん、自己負担を増やせば、これ以上の寄附も可能ですので、これはあくまで最も効率の良い寄附金額とお考えください。

ふるさとに熱い思いを持つ方々にとっては、これだけでも十分に素晴らしい制度といえると思います。
ただし、わざわざ2000円を払ってまで寄附をするだけでは、ここまで人気になることはないでしょう。
ふるさと納税が、人気になっている理由は、寄附した地方自治体から特典がもらえるからです。特典には、自治体によって米、肉、水産物、お酒等がありますので、複数の自治体にふるさと納税を行えば、2,000円で高級日本酒と豪華すき焼きを家族で堪能することも可能です。

寄附をもらった自治体が寄附以上にコストがかかる特典を与えれば損してしまうので寄附金額の一定率の金額の特典を設定していますが、これを還元率と呼ばせていただきます。色々なサイトでお得な特典を出す自治体を紹介していますが、還元率が70%以上であればたいへんなお得感があり、50%以上あればお得といった論調です。
つまり、年収700万円のサラリーマンは、お得な特典の自治体を選べば2,000円で22,000円の食事ができることになります。まじめに働くサラリーマンとそれを支える家族に対する年一回のご褒美としても良いことだと思います。

ところで、これを自治体側から考えると、また違った点が見えてきます。
自治体によって還元率に差がでる要因は、自治体の寄附に対する考え方もあるでしょうが、その自治体の特典の市場価格と原価の対比、すなわち利益率に依存するものと考えられます。また、利益率は、その特典の持つ魅力が高まればより高くなる可能性が高いと思われます。つまり、人々が還元率の高い特典を選択した場合、より魅力のある特産品を持つ自治体にお金が集まることになります。

これは、利益率の高い会社の株価がより高くなり市場からより多くの資金を調達できる株式市場の機能に似ています。
ふるさと納税が拡大していけば、その、のどかな語感と裏腹に地方自治体に資本主義的な競争を促すものに変貌していくのではないかとふと考えました。

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